初等科NEWS

初等科祭に向けて

2011年11月07日

 図工の授業では、2学期が始まると初等科祭に展示する作品づくりに取り組んでいます。毎年定番となっている作品もあれば、テーマや表現方法の違う作品など、どの作品もたくさんの時間をかけてつくり上げています。その中から、2年生の作品について紹介します。

 2年生の授業では、学校の給食で食べたたまねぎの皮、初等科にある枇杷の木の葉を使って毛糸を染め、その毛糸を使って作品づくりをしています。
 毎年、このような材料で本当に毛糸が染まるのか、いったいどんな色に染まるのかと半信半疑のようすですが、染まった毛糸を鍋から引き上げると、まるで魔法を眼にしたかのように歓声が上がります。また、媒染という作業をすることで、同じ染材を使っても違う色合いに染めることができ、その変化の様子も新鮮な驚きとなっています。

たまねぎ染めの鍋の中2.jpg  葉っぱを洗う2.jpg

鍋の中のようす         枇杷の葉っぱを洗う>


枇杷の観察2.jpg  観察の絵2.jpg

毛糸をそめている間は、材料の観察の時間


 草木染めは、絵の具のような鮮やかさや色数に欠けると思われがちですが、実際には豊かな色合いの変化を見せてくれます。こうしてできた毛糸に触れていく中で、例えば「きいろ」の毛糸の中に色の濃淡だけではなく、微妙な赤や緑などの色味を感じとり、色彩への興味や関心が豊かになっていくのを感じます。

かすり糸づくり2.jpg  染まった毛糸2.jpg

かすり糸づくり              染まった毛糸


 染めた毛糸は、みんなが使いやすいように初等科オリジナルの糸巻き機で巻いていきます。くるくると調子よく巻けるときもあれば、途中で糸が絡まってしまうときもあります。お互いに協力しながらグループで作業をすすめ、毛糸が小分けになるとようやく作品づくりとなります。

糸巻き機2.jpg  小分けの毛糸2.jpg

糸巻き機                小分けに巻いた毛糸


 毛糸染めは、作品をつくるための準備段階ですが、そこにはたくさんの感動や学びがあります。手づくりの毛糸で、自分の好みに合う色やその組み合わせを考えながらつくった作品は、まさに十人十色。今年もどのような作品ができあがるか楽しみです。

 初等科祭では、友だちや他の学年の作品を鑑賞することで、それぞれの良さを見つけ合い、そこからつくりたいという気持ちがますます広がっていく機会にしたいと考えています。