剣道部夏合宿
2009年10月05日
8月中旬剣道部は、長野県菅平高原で3泊4日の夏合宿を行いました。
この合宿で子どもたちは、中等科、高等科、女子部、大学、そしてOBの剣道部の先輩方と同じ宿でともに過ごします。そして、起床から就寝まで剣道ずくめの日を過ごします。
合宿での生活は、まず朝6時からの黙想に始まります。体育館に全員が集まり、大学主将の大きなかけ声にしたがい、黙想をします。日がたつにつれ疲れがたまってくると、本当に黙想しているのか、中には寝ているようにも見える部員もいました。

そのあと、ダボスという丘でのトレーニングに移ります。すぶりをしたり丘を駆け上ったり、また、発声練習などを朝食前に行います。
普段はスキー場となるような急な斜面を駆け上るのは、なかなかつらいものです。でも、山々の美しさや空気の美味しさ、高原のきれいな草花たちが疲れを癒してくれました。
朝食の後は防具をつけた稽古、続いて木刀での形の稽古です。午後も同じように過ごし、夕食後にミーティングがあります。お話を長時間正座して聞くだけでも忍耐がいることですが、皆先輩方のお話を静かに聞いていました。
3日目は、合宿を通して最も重要な一日です。午前は「千本すぶり」がありました。全員で千本すぶり、すなわち千回、木刀をふり下ろすことをくり返します。一人ではとてもつらくてできない数のすぶりも、仲間がいるとなぜかできるのです。その証拠に、今までに誰一人ふれなかった部員はいません。皆顔を紅潮させ、まめができた手の痛みや、筋肉痛をこらえて、必死にがんばりました。
千本完遂!! そのとき味わった気持ちこそ、この合宿の一番の宝物といえるでしょう。達成した人にしかわからない満足感が表情によく表れていました。


午後は紅白試合。愛知県にある道場の小学生も加わり、紅白に分かれて試合をしました。勝敗の結果はそれぞれの課題となり、秋からの稽古にきっと活かされることでしょう。

4日目の最終日は、ダボスの丘の上でのドロップマラソンです。空気の薄い高地でのマラソンは、体に平地の何倍もの負荷がかかりますが、これもみごとに全員走りきりました。
その名は、ゴール後に先輩方からいただけるドロップに由来します。この美味しいこと! いただいたドロップをいつまでも口に入れないで眺めている子や好きな味と交換し合う子など、いろいろな姿が見られました。


合宿中は、剣道のことだけでなく、生活のすべての面で皆で力を合わせることをたくさん学びました。自分たちがいちばん年下ではあっても、先輩たちに甘えることなく、できることはなるべく自分たちですること。
ですから、初等科の中でも先輩は後輩の面倒をみることが当然のこととされます。初めて参加した4年生は、つらく思われることもたくさんあったでしょうが、楽しく合宿を終えられたのは、こうした心配りもあったからではないでしょうか。


先輩方と過ごしたこの合宿は、つらい中にも楽しいことがたくさんありました。そして、体力・気力・剣道の技術の進歩にも著しいものがありました。
仲間と一緒に過ごしたことで得られた絆、さらに高まり深まったであろう剣道に対するそれぞれの思い、先輩方との思い出が、一人ひとりを内面から成長させたからでしょう。
こうして剣道部の伝統は続いていきます。