科長ブログ

あるがままの姿あるべき姿

2010年06月01日

 十人十色と言いますが、一人ひとりの児童の姿形や性格は全く異なります。
 兄弟姉妹でありながら性格の違いから、育て方に迷われているご両親も少なくありません。元気だが根気が続かない、内気なために人前に出ると寡黙になってしまう、力を充分発揮できないまま終わってしまうなど、悩みもつきません。
 子育てに迷っているときに思い出される言葉があります。「あきらめるな」、「人様に迷惑をかけるな」という言葉です。幼少のころ誰に言われたという記憶はありませんが、よく考えてみますと、優れた先人の知恵であることに気づかされます。
 あきらめてしまうと、何も身につきません。学業も、技能も、将来仕事に必要なことも身につきません。また、人様や世間に迷惑をかけてしまうと自分を受け入れてもらえません。せっかく身に付けた自分の力量を発揮できません。自分の実力を発揮できるのは、自分の力量が社会の中で認められたときです。先人は、「世の中は甘くない」とか、「お天道様はお見通しである」といって慢心を戒めました。胆に銘じておきたい言葉です。
 あるがままの姿を受け入れる側面と、あるべき姿を受け入れる側面の両面から育てられてはじめて一人前の人間になると言われています。

三浦 芳雄